BLOG宮栄からのお知らせ

企業の覚悟

業種・業態・規模・社歴・・・世の中の企業は様々です。

また、その経営スタイルも当然ながら百人百様です。

先日、県内の老舗食品製造業の廃業予定が報じられました。

この企業の存在を私が知ったのは、大手ハンバーガーチェーンのパティを製造しているとの情報をその昔聞いてからでした。

新聞によりますと、なんと国内初の魚肉ソーセージを開発し70年以上も製造販売してきた企業でしたが、売り上げ減少に加え原材料高騰などにより利益確保が難しくなったとのこと。

今の時代、絶対安泰なんて企業は1社たりともありません。

詳細はその経営陣にしかわかりませんし、努力した結果なのでしょうからそれ以上他人が言うことはありません。

記事を読み終えて私が一番感心したのは、

「経営陣が3~4年前から検討し、設備の維持経費や売り上げ規模等を総合的に考えた上で、得意先に迷惑をかけないよう資金があるうちにと決断した」

それと、

「現在の従業員にも廃業を通知済みで、新たな雇用先の紹介なども予定している」

という内容です。

一般の人からすると当り前くらいに思われるのかもしれませんが、これって凄いことです。

よく聞くのは、突然倒産して、取引業者は貸し倒れで泣き寝入り、従業員は路頭に迷うといったケース。

中には、経営陣が倒産前に自分の財産だけは守るために資産を家族名義に書き換えておく、なんてことも聞きます。

その点、この老舗企業は、自分の尻は自分で拭く、という覚悟を感じました。(少々乱暴な言い方ですが、それだけ強い責任感の表れだと思います)

結果は残念なことになりますが、私はこの経営陣にエールを送りたい気分になりました。

きっと良い会社だったのだろうと思いたいです。